台北桃園空港は言うなれば日本の成田空港
台湾北部には2つの国際空港があり、1つが台北松山(Songshan、ソンシャン)空港、もう1つが台北桃園(Taoyuan、タォユェン)空港。
ほとんどの国際線は台北桃園空港に乗り入れており、日本路線も羽田発着便を除いては台北桃園空港を使用しています。
規模も台北桃園空港の方がはるかに大きい。
平たく言えば、松山空港=羽田空港、桃園空港=成田空港のようなイメージ。
で、そのイメージに沿うもう1つの情報として、台北桃園空港は台北と言いながらも別の桃園市にあり、台北市内からも意外と遠い。
この辺りも羽田、成田の関係性と似なくてもいいのに似ています。
今までなら、この桃園空港までバスかタクシーの利用しかアクセス方法はありませんでした。
地下鉄MRT 桃園大眾捷運 Taoyuan Metroが開通
その不便さを解消するべく、工事に着工し、システムのトラブルなどで何度も開業が延長されつつもようやく2017年3月より正式開業したのが地下鉄MRT 桃園大眾捷運 Taoyuan Metroです。
これによって台北から地下鉄MRTで移動できる為、時間が読みやすくなりました。
また台北駅からは桃園空港へは数駅しか止まらない特急が準備されていたり、各航空会社のチェックインカウンター、預入荷物の受付があったりと便利です。
路線図
その日本語版
運賃表
しかも安上がり。
台北ー第2ターミナルで160NT$ ≒ 640円、第2ターミナル ー 高鐡桃園で40NT$ ≒ 160円です。
この辺りは詳しくレポートされているサイトを多く見かけます。
ありがたいことです。
が、どうも台北ー桃園空港の記事は山ほどあるのに、逆路線、つまり台北から遠ざかる方の路線に触れている記事が少ない。
確かに圧倒的には台北へ向かう人が多いと思います。
ただ需要・用途は少なそうに思えますが、注目すべきは 駅番号 A18、高鐵桃園站。
桃園MRTと接続する各電車の路線をまとめた図がこちら。
ね?
オレンジの路線を見ていただくと分かるように、いわゆる台湾新幹線 高鐡 HSRと桃園MRTは台北駅と桃園駅、2つの駅で接続しています。
つまり、新竹、台中、台南、嘉義、高雄など南下したい時、または最終日に南にある町から直接桃園空港へ向かう時には、台北まで行って人混みに飲まれることなく、途中の高鐵桃園駅を利用すれば遥かに便利かつ安上がりです。
ちなみに嘉義は、新しく出来た故宮博物館の別館、國立故宮博物院南部院區の最寄駅です。
また鉄道ファンであれば、台北-桃園間の台湾新幹線HSRを利用して、MRTで戻るということも容易です。
A13 機場第二航廈站 - A18 高鐵桃園駅 乗車記録
今回、その高鐵桃園空港に向かう路線に乗車したので軽くレポートします。
A13 機場第二航廈站
日本発着路線のうち、キャセイパシフィック航空を除いてはほとんどが第2ターミナルを利用します。
たとえ第1ターミナルの方が近いやん!と思うようなところに駐機されても入国審査や手荷物受取場は第2ターミナルです。(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
で、その第2ターミナルのMRTの駅は地下にあります。
この駅が出来て私にとって利便性が上がったのは、このMRTが台北の交通系ICカード、悠遊カードを使用できること と 券売機で1NT$単位からチャージできること。
つまり、出張からの帰国日に手元に残った台湾元のコインの一切合切をチャージして身軽に帰国出来る体制が桃園空港でも揃ったことになります。
悠遊カードについては以下の記事をご覧ください。
広く真新しい構内が眩しい。。。
やはり力を入れているのは空港ー台北間なんだなーと思うエピソードとしては数駅しか止まらない特急は空港止まりであるということ。(紫の路線)
実際に、最初に駅に到着した電車へ乗り込んだものの、この駅止まりで回送になると追い出されました。。。
それでも結構引っ切り無しに電車は来ましたので、乗車して見ます。
ちゃんと空港線らしく、荷物置き場が各車両に完備されてました。
A14a 機場旅館站
今後開業予定の第3ターミナルの最寄りのMRT駅がA14として割り当てられていますが、現在A14aとして、機場旅館站(空港ホテル駅)が割り当てられています。
この空港ホテルというのは、桃園空港の敷地内にあるノボテルホテルのことです。
これも意外と嬉しい。
静岡-台北桃園線は夜23時、その際に無理して市内へ移動するよりも最寄りのホテルで休みたい時が多々あります。
また早朝便で帰国する際に新竹からの移動では夜中2、3時にチェックアウトすることもあります。
そういった場合に前日に桃園空港辺りに宿を取ることもあります。
いずれの場合でも利用する第1候補がノボテルホテルです。
ただ今までこのホテル周辺と各ターミナルから徒歩で向かえる道は皆無で、バンバン車が飛ばしまくる車道の脇を歩くか、わずかの距離なのにタクシーを使うかしかアクセス方法がありませんでした。
これで格段に安全性が高まったことになります。
A15 大園站
もしかすると利便性が上がるかもしれないもう1つの駅がその次の大園站。
何故かというと、空港に近いホテルの1つが桃園城市商旅航空舘(シティスイーツ桃園ゲートウェイ ホテルの最寄駅だからです。
ノボテルホテルは空港に近すぎて離発着の音がそれなりにしますが、それよりもやや離れているので、利便性は高めです。
このホテルのカウンターには「JALマイルが貯まります」と提携を示すような表示があり、現地支払いを選択して予約し、会計時にJALマイレージカードを提示すればJALマイルが貯まるようです。
(50NT$の利用ごとに1マイル付与)
JALマイレージバンク - シティスィーツ空港館/City Suites Gateway(マイルをためる)
*「ようです」としているのは、このホテルではネットでの事前決済でしか利用したことがなく、その支払い方法だとマイル積算の対象外である為。
JMBアジア・オセアニア限定とありますが、別のForteグループのホテルを現金決済+JMBカード提示でマイルが付与されたので、JMBアジアというのは日本を含むと捉えて問題ないと思われます。
JALマイレージバンク - 福泰チェーンホテルグループ(マイルをためる)
ただし、わずかの距離しかないのに、空港までのタクシー代はホテル手配の一律価格を提示されました。
いくらだったかうろ覚えだったので記載しませんが、「高!!!」と思ったのは事実です。
それが今後はMRTの利用で安くなるならば、ホテルの選択肢は広がります。
やや大園站とシティスイーツホテル間がやや離れているのがネックですが、機会があれば調べてみたいと思います。
A19 高鐵桃園站
そして、目的地の高鐡(HSR)桃園駅に到着です。
高鐡桃園駅にはアウトレットモールの華泰名品城 グロリアアウトレットがあり、MRTの改札から連絡橋で直結です。
MRT A19 高鐵桃園站からは地下1階で高鐵とつながっており、新たに券売機やチケットカウンター、改札口が設けられていました。
地下2階のホームまで短い距離で移動でき、利便性は上々です。
一応、地上階に変わりがないかと思い、見てみたのですが・・・
全く変化がありませんでしたね。
昔はこの写真のエリアにチャイナエアラインとエバー航空のチェックインカウンターがあり便利でしたし、台北駅には新設されたので期待したのですが。。。
残念。
ちなみに、高鐡桃園駅構内には一風堂があり、日本では提供されていない、塩・味噌・醤油ラーメンを食べることも出来ます。
高鐡 ⇄ MRTで乗り換える際に、こちらの一風堂を利用したい場合は地上階で乗り換えましょう。
始発電車の時間にご注意。
なお、桃園空港MRTの台北⇄空港、高鐡桃園駅⇄空港のいずれも23時台後半に終電が出て、始発電車は朝6時以降です。
となると、LCCなどで深夜に空港を利用する場合は、やはりタクシーの利用を継続することになります。
この辺りは要注意ですね。
これは桃園空港MRT線に限ったことではなく、台北市内のMRT各路線も似たようなもんです。
桃園空港MRT線だけでも、1時間に1本、1車両でもいいから深夜帯も運転してもらえると便利なんですが・・・。
とはいえ、確実に利便性が上がった桃園空港MRTの開通は大歓迎です。
些細なことですが、やはり悠遊カードのチャージが桃園空港でも出来るようになったのは嬉しい限り。
今まで桃園空港からの帰国の時には諦めて、財布に重く貯まっていたコインを解消できるのはいいことです。
ではまた。